
お遍路スイッチVol.22
夏休みが終わりました(>_<)
今年はお盆を含めて連休が沢山あったので、別格20霊場を巡ったり、姪っ子を連れて山口県の萩に観光に行ったりと結構充実した夏休みでした。
ただ、五月病ならぬ八月病とでも言いましょうか、休みが多すぎて身体が今ひとつ”シャン”としません。「お遍路スイッチ」も本当はもう少し早く書く予定だったのですが、夏休みの宿題のようにズルズルと遅くなっちゃいました(^^;)。しかし、もう暦の上では秋!お遍路シーズンも始まっちゃいますし、夏バテなんて言っている場合ではないですね。後半戦!ネジ巻きなおして頑張ります!
”頑張る”といえば、「おまいりんぐ」頑張ってますね(^^)。四国霊場開創1200年祭を前に新しい企画が目白押しです。「柄杓プロジェクト」や「お遍路大學」そして、「アンテナshop」の開店!どれも魅力的です。お遍路のひとつの窓口(入り口)として、ひとりの先達として大いに期待しています。
実は、夏休みに別格霊場を巡った時に「おまいりんぐ」1周年のお祝いを兼ねて母体であるオープンデザインを訪問して来ました。本業の合間を縫って運営する「おまいりんぐ」に対する愛情の強さ、熱量の大きさに地元love!四国love!を”ひしひし”と感じました。新しい企画も立ち上がり、スタッフの皆さんも輝いて見えましたよ(^^)。
そんな「おまいりんぐ」ではありますが、悩みもあるようです。その性質上、”お遍路さん”に受け入れて貰えるか、そして”四国霊場”にご理解頂けるのかと危惧されておられるようでした。まぁコスプレをしてお遍路していたら勘違いされても不思議ではないですが(^^;)。
そんなお話をしていたら、ひとりの人物が思い浮かんできました。「真念」という人です。この真念なる人物はお遍路では有名人。「四国遍路の父」と云われる人です。江戸時代に生きた方で、八十八ヶ所の札所の番号を定めた事で知られています。一番の功績は「四国遍路道指南(へんろみちしるべ)」という明治時代まで版を重ねる一大ベストセラーの霊場記や「四国偏礼功徳記(へんろくどくき)」という巡礼記を執筆し、併せてお遍路道に道標を建てた事ではないかと思います。霊場記(ガイドブック)や巡礼記(ブログ)を書いて、道標を建ててお参りを身近なものにされました。真念が登場するまでは四国は修行の場というのが一般的だったそうです。その後この功績により、江戸の庶民は修行修行!という事ではなく、
弘法大師の足跡を辿る”旅”としてお遍路が盛んになったといわれています。
「おまいりんぐ」と「真念」を重ねる訳ではありませんが、若年層が”四国霊場”更には”法”に辿り着くひとつの道標となればいいなぁと思っています。
「どんなカタチにせよ、そこに入り口があることが大事」
はじめて「おまいりんぐ」に出逢った時、私が言った言葉です。入り口から道標へと進化を遂げる「おまいりんぐ」を一個人としても先達としても応援しています。そして、微力ではありますが、「おまいりんぐ」に関われる事に感謝しています。
来年は四国霊場開創1200年のお祭です。本当に夏バテなんかしている場合じゃありません!「おまいりんぐ」に負けないように私も”頑張り”ます!
来年は何かが起こる!そんな期待を「おまいりんぐ」にしています。皆さんもそう思いませんか?
合掌 (^人^)
スタッフより
常晋さんと霊山寺で出会って、勇気が湧いてきたのを思い出します。
また今回も勇気をいただきました。まだまだ企画としては未熟ですが頑張りますので
どうぞ宜しくお願いいたします。
本当にありがとうございます!
お遍路スイッチVol.21
四国別格20霊場のお参りに行って来ました。
”夏休み”という訳ではないのですが、少しまとまったお休みが出来たので、一泊二日で1番から4番・16番から20番の9ヶ寺をお参りして来ました。徳島県(15番以外)と香川県。瀬戸大橋を基準にして東側のお参りです。
今までも何度となくお参りはしているのですが、最近はツアーでも四国別格20霊場のお参りが多くなっているようで、いつ声が掛かっても良いように…。要するに下見に行ったという事です。個人でお参りする時とは違って、団体となるとチェックしておかなければならない事も多くあります。自分の目で確認しておかないと気がすまないタイプ?なもんで(^^;)。仕事半分、お参り半分。そんな感じの一泊二日の旅でした。
別格?20?霊場?という方も多いはず。
四国別格20霊場を簡単に説明すると、四国にある20ヶ寺の霊場。番外霊場と呼ばれることもあります。弘法大師に関わる四国の寺院で、八十八ヶ所霊場に属さない寺院を総じて番外と呼ぶそうです。番外寺も沢山ありますが、その中の20ヶ寺が集まって四国別格20霊場を創られました。霊場として発足されたのが昭和41年ですので、歴史的には新しい霊場です。
では何故この四国別格20霊場が人気があるのか?
「四国88+別格20=108(煩悩の数)」という事で、八十八ヶ所霊場と併せてお参りすると、”煩悩消滅の旅”ともいわれます。”108ヶ寺参り”と題して、ツアーでも沢山お参りされています。
そして、一番の人気の理由は「除災招福念珠」!
各お寺で納経をすると、お寺のお名前が入った念珠玉を1つ300円で授与していただけます。男珠・女珠の2種類があり、それぞれ親珠(500円)があります。「20ヶ寺+親珠」で21珠の念珠玉が集まり、お数珠を仕立てる事が出来ます。この数珠がとっても”格好良く”集めがいのあるものなのです。そして、ドラゴンボール的?な魅力も重なって、この数珠玉を集める事が目的のお遍路さんも多くいらっしゃいます。
”108ヶ寺参り”や”お数珠”が人気の四国別格20霊場ではありますが、今回あらためて9ヶ寺お参りしてみると、それぞれのお寺が個性的で、八十八ヶ所とはまた違う魅力がありました。
八十八ヶ所に比べると、参拝者が少ないという事もあり、お寺を身直に感じることが出来ると思います。お寺の方との距離感も近く感じます。参拝者に対して”手厚い”という印象を受けました。時間をかけて”散策”してみるのも楽しいかも知れませんね。
ちなみに、今回お参りしたお寺の中でのオススメは、3番札所慈眼寺の穴禅定!
八十八ヶ所の20番鶴林寺の近くにあります(鶴林寺の登山口から車で30分くらい)。四国別格20霊場の中で、「慈眼寺の穴禅定だけは行ってみたい」という声もよく聞きます。穴禅定という、いわゆる行場になります。穴禅定先達と共にロウソクの灯りだけを頼りに、狭い鍾乳洞を通り抜ける修行です。太っている人、体が大きい人(石柱で出来た試験場があります)は、入る事が出来ません。人数にもよりますが、2~3人で1時間から2時間くらいの行程になります。
楽しそうでしょ?時間に余裕を作って、鶴林寺に登る前に是非体験してみて下さい!
残念ながら、私はカラダが規格外(デカすぎ)で入ったことがありません(T^T)。
八十八ヶ所のお参りをしていると、歩きでも車でも、四国別格20霊場の何ヶ寺かを通るルートになります。その時は、素通りせずに、是非立ち寄っていただけたらと思います。きっと魅力を感じていただけると思いますよ(^^)。
合掌 (^人^)
お遍路スイッチVol.20
暑中お見舞い申し上げます。
皆さんご無事にお過ごしでしょうか?熱中症や熱射病などに冒されてはいませんか?
私は、「暑い!暑い!暑い!」と口癖のように不満を吐きまくり、修行の足りなさを実感する毎日です。
大好きな夏…。今年は少し嫌いになりそうな予感(>_<)。あついよー!
皆さん、どうぞご自愛くださいませ。
さて、この暑さにも負けず、毎日「夏からはじめる」と題して全国各地からお遍路さんのツアーがスタートしております。猛暑の中のお参りは、年配者には少しキツイようですが、皆さん頑張ってお参りされております。
そんな中、はじめての参加の方からこんな質問をいただきました。
「春や秋より、やっぱり冬や夏の方が御利益ありますか?」
汗だくの顔で質問されると「あったりまえじゃないですか!」と言ってあげたかったのですが、そんな事言ったら、そもそもバスでお参りしていること自体が???って事に成りかねませんので、「御利益は、善行の結果によってもたらされるものなので、季節は関係ないですよ」とお話しました。病気平癒、商売繁盛、夫婦円満、縁結び、厄除け、その他色々取り揃えておりますが、ご希望は?と聞いてあげられればいいんですけどね。
私自身もお遍路を始めた頃、同じような事を考えていました。きっとお寺に行けば仏様がお願い事を聞いてくれるはず!こんな風に(^^;)。
御利益とは?の答えは、宗旨宗派によっても、語る人によっても変わってくるものだと思います。
私はお坊さんではありません。先達です。お遍路さんとして答えるならば、Vol.17でも書きましたが、「変われる」事だと思っています。お遍路は特別な事。聖域に足を踏み入れます。そして”同行二人”。お大師さまと一緒です。”日常から離れる”ことが大事だと思っています。日常の生活から離れて、感情やストレス、そんなものを一度真っ白にしてお遍路さんになります。いつもより優しく、いつもより丁寧に、いつもより笑顔、いつもより頑張る。そして、お遍路が終わったら、その気持ちを日常に持って帰る。すると「変われる」という御利益を少しでも頂けるのではないかと思っています。
これは、50日かけて歩いても、日帰りのバスツアーでも同じ御利益だと思います。もちろん、春でも夏でも。
いつも「お遍路スイッチ」では、スタンプラリーでも構わないと書いていますが、私はここが”スタンプラリー”と”お遍路さん”の大きな違いだと思っています。お経を読むとか読まないとか、そんな事ではありません。
お遍路さんは白衣を道中着用します。お遍路さんが行き倒れた時の死装束といわれたり、お大師さまのお弟子になった証といわれます。私は「自分を一度真っ白にする」そんな気持ちで袖を通しています。
前回の「ドライブお遍路」もかなり魅力的ですが、気持ちを入れた「変われるお遍路」は更に充実したものになると思います。
夏は始まったばかり!白衣に袖を通して真っ白になって出掛けましょう!
合掌 (^人^)
お遍路スイッチVol.19
Twitterはじめました(^^)
つぶやくことにハマるのか?それとも飽きるのか?
「のむらじょうしん」で検索してみて下さね(^^)。今、一番必要なものは、フォロワーです(^^;)。
さて、6月も終わり!いよいよ夏がやってきます。私は夏の遍路が大好きです。境内の日陰に座り、うるさいくらいの蝉の声、空には入道雲!目に浮かびます(^^)。
しかし、夏に歩くのはやっぱり大変。そこで、今回のテーマは「ドライブお遍路」です。
個人のお遍路さんは、ほとんどが車でお参りされています。私も歩いてのお遍路もしますが、一番多いのは車です。当時は軽自動車(ワンボックス)の後部座席をフルフラットにして、寝袋を持ち込み、道の駅やお寺の駐車場で車中泊。お昼も食べずにお参りをして、約5日で四国を一周していました(^^;)。
ただ、今思うともっとゆっくり楽しんでお参りすれば良かったと、少し後悔です。
「歩きを線のお遍路。車を点のお遍路」と表現する事があります。お寺が点、お遍路道が線。歩きは道中がメイン、車はお寺がメイン。どうしても車は移動の手段になってしまって、先へ先へと進んでしまいます。せっかく自由の利く車のお遍路。お寺ももちろん、四国を満喫出来るお遍路という”旅”が出来たらいいなと思います。
「おまいりんぐ」の読者の中には、興味はあるけどお遍路さんになるには……。と思っている人も多いはず(^^)。まずは、車のお遍路の中でも「ドライブお遍路」をオススメします。
よく”スタンプラリー”と揶揄される車のお遍路。ここは「スタンプラリーで何が悪い!」くらいの気持ちではじめるのが、良いかも(^^)。
では、そんな”旅”をプロデュースするならば、ドライブですから友達や恋人と出掛けるのもいいでしょう。大人数で行く場合は、お寺では節度を持って行動する事ですね。あくまでお遍路さんです。お経を読むのはお約束。ユニホームだと思って白衣を着用。納経は必ずしましょう!”スタンプラリー”にさえなりません(^^;)。お泊まりは、ホテルでも良いですが、夏なのでお遍路宿も空いていると思いますのでオススメです。美味しい食事をしましょう。ビールも飲みましょう。歩きのお遍路さんが同宿なら語らいましょう!夏は若者が多いです。宿の主人が許可してくれるなら、花火もしましょう(^^)。道中、海水浴場があれば泳いだってOK!観光もしちゃいましょう!
こんな感じでどうでしょう?書いてる私がこんなお遍路をしたくなっちゃいました(^^)。
最近はナビの性能も良いですから、迷うことも少ないと思います。ただ、狭い道が多いので、安全運転に心掛けましょう。
色んな人と言葉をかわす事が出来るのがお遍路の醍醐味です。お遍路さんであることで、日常を忘れて四国を満喫出来ると思います。
夏休みやお盆休み、予定が決まってなければ「ドライブお遍路」是非!
いつか「コスプレあゆみと行く!ドライブお遍路」なるツアーの先達をやってみたいなぁ(^^)
合掌 (^人^)
staffより
是非ツアーしたいですね^^ そのときは他のコスプレもあるかも??
お遍路スイッチVol.18
「AKB選抜総選挙」盛り上がっていましたね(^^)
仏様の世界では、センターは大日如来様なのかな?とか、AKBにも派生ユニットがあるけれど、釈迦三尊像や弥陀三尊像がそれにあたるのかな?とか、くだらないことを考えながら見ていました(^^;)。ちなみに、一番しっくりきたのが、薬師如来様がセンターで、脇を日光・月光菩薩様が固め、十二神将が選抜メンバー!(^^;)。薬師三尊+眷属です。八十八ヶ所のお寺でも見ることが多いユニット?ですね。26番金剛頂寺の本堂で、並んでいる木造のものを見ることが出来たと思います。仏像ブームということもありますし、こういう角度から仏像を見ても面白いかも知れませんね(^^;)。興味のある方は是非!
今回はユニット?ではなく、何時もひとりでお堂の前縁にいらっしゃる「おびんずるさま」のお話。
お堂の脇に、赤い顔をして座っている方をご存知ですか?みんなに撫でられているあの方です。
俗に「撫で仏」と呼ばれることもありますが、「賓頭盧尊者(びんずるそんじゃ)」。通称「びんずるさん」「おびんずるさま」といわれる仏様です。
おびんずるさまは、お釈迦様の16人のお弟子さんの中のひとり。お酒が大好きで、お釈迦様と禁酒の約束をするのですが、破ってしまいお堂の外に追いやられます。また、神通力の使い手なんですが、人々にこの神通力を誇示したことで、ここでもお釈迦様のお怒りに触れ、涅槃を許されなかったそうです。なんとも困ったお弟子さんですが、とても親しみを感じる仏様です(^^)。
お怒りのお釈迦様から「お前は、この世に留まって仏法を守り、人間の病を癒やし、多くの衆生を救いなさい」と命令されます。今もいいつけを守って、前縁に座って人々を救っておられています。
所説ありますが、右手で3回、左手で3回、頭を撫でると無病が約束される。もしくは、自分の身体の悪い箇所と、おびんずるさまの同じ箇所を交互に撫でると、病気が治るといわれます。
また、お酒が好きなので、赤い顔をしていると言われます。これも所説ありまして、実は修行が最高潮に達しているので、顔が真っ赤っかになっている。そして、病気を寄せ付けないとも言われます。
八十八ヶ所のお寺にも、おびんずるさまはいらっしゃいます。お見かけしたら、親しみを込めて撫でてみましょう(^^)
今回のAKB選抜総選挙では、指原莉乃さんがセンターを射止めました。プロデューサーである秋元康さんの教えに背き、博多に飛ばされた指原莉乃さん。師匠であるお釈迦様の教えに背き、お堂の外に追いやられたおびんずるさま。なんか似ていますね(^^)。もしかしたら、おびんずるさまがお堂の中に復帰して、センターを射止める日が来るのかも?なんてね(^^)。
合掌 (^人^)
お遍路スイッチVol.17
T江さんに再会しました(^^)。
T江さんは、この冬に歩き遍路をした時に知り合ったお遍路さん。宿が一緒になったり、たまには共に歩いたりしました。先日、23番の薬王寺でバッタリ!無事結願して2周目を車で巡っているそうです。「歩いて良かった!お遍路にハマった!」満面の笑顔で握手をして別れました。またどこかで会えたらいいなぁ(^^)。
今回は「自分らしいお遍路じゃ何も変わらない」というお話。
これは、Rくんの言葉です。
RくんはT江さんと同じく、歩き遍路で知り合ったお遍路さん。完全野宿でテントやコンロ、お米や食材を背負って歩いていました。背が高く、人懐っこい顔立ちで、一見好青年なのですが…。話をしてみると、「チャラい」(^^;)。本人曰わく、お金と女にだらしないとのこと。よく、お遍路のHPに「女性の一人お遍路は危ない」とありますが、その一端を担っているひとりかも?(ちょっと言い過ぎ)。
Rくんと出会ったのは足摺岬でした。興味があったので、宿毛で再会した時に「一緒に歩かないか?」と誘い、その後2日間一緒に歩きました。よくよく話をしてみると、「チャラい」中にも信念はあるようで、「このお遍路で自分は変わりたい」と言っていました。
お遍路のマナーや野宿のルールなど、最低限必要なアドバイスをしました。「自分が変わりたいと思って遍路をするなら、迷惑のかからない遍路をするべき。誰かの犠牲の上に成り立っている遍路では、何も変わらない」と、偉そうに説教したのを覚えています(^^;)。
別れる時に「僕はまっとうに生きたい。誰かの犠牲の上なんかで生きたくない」そう言っていました。「自分らしく歩けばいいさ」と手を振ると、「自分らしいお遍路じゃ何も変わらないと思います」とチャラくないセリフを言って去って行きました。
歩き遍路の御利益。そのひとつを、私は変われる事だと思っています。社会から離れて、何十日もひとりで歩く、そして社会に戻っていく。この間にどんな心の変化があるのか、これは歩いた本人にしか分かりません。
Rくんは「自分らしさ」ではなく「新しい自分」を手に入れたかったのではないかと思います。
西日本も梅雨入りです。もうすぐ夏です。夏休みになると沢山の学生さんたちが、「自分探しの旅」と題して、お遍路をします。「自分探し」もいいかもしれませんが、Rくんのように、「自分らしさ」の向こう側を見に行く旅というのも悪くないように思います。
ちなみに、どう違うの?と聞かれても答えられません(^^;)。ただ、「自分らしいお遍路じゃ何も変わらない」と言った時のRくんはとってもカッコ良かったですよ(^^)。
お遍路スイッチVol.16
GWも終わりました。
12連休。特に何の予定もないお休みでしたが、天気が良いのとあまりにも暇だったので(^^;)、山口県の周防大島にある「茂兵衛堂」に久しぶりにお参りに行きました。中務茂兵衛氏(なかつかさもへい)のお堂です。この中務茂兵衛という人は、お遍路では有名人。江戸時代から明治にかけてお遍路を280回した人で、先達の元祖といわれています。とっても人気者だったそうで、茂兵衛の名前で遍路道に沢山の道標が残っています。こじんまりとしたお堂ですが、とっても雰囲気があります。なかなか周防大島に行く機会は少ないとは思いますが、チャンスがあれば是非行ってみて下さい。オススメです(^^)。
ということで今回は、中務茂兵衛にあやかり「先達」のお話。
「どうやったら先達になれるのですか?」
よく質問されます。
「なりたくなったら、なれますよ」と答えています(^^;)。
「具体的には?」
やっぱりそう来るか…と(^^;)。
先達になるには、4回以上四国八十八カ所霊場をお参りして、八十八カ所のいずれかのお寺に推薦を貰うこと(四国にお住まいの人は、自分の住んでいる県のお寺。四国以外にお住まいの人は、八十八カ所のお寺であればどこでもOK)。その後、霊場会の審査を経て12月に開かれる「先達研修会」に出席して正式認定となります。
先達の役割は「多くの方を四国霊場に導く」といわれます。
私がツアーのお遍路さんにご案内するときは「四国霊場に興味を持っていただくこと、今回参加された方が次回も行ってみたいと思っていただくこと、そして一周回って結願した人がもう一度お参りしたいと思っていただくこと」が、先達の役割とお話しています。もっと言えば、このお遍路の文化を継承し伝えていく者だと思っています。
先達に認定されると、赤い錫杖と輪袈裟をいただけます。この輪袈裟には法輪のお印が染められています。法輪というのは車輪のような形をしていて、その意味は「仏の教えを留めることなく広めていく」ということです。
「先達さんは、お坊さん?」という質問もよくあります。僧籍を持ってらっしゃる方も多いですが、先達は、お坊さんではなく「先達」というポジションです。
たまに「先生」と呼ばれることがありますが、個人的には好きではありません。病院だと医師ではなく看護士さん。学校だと教師ではなく用務員のおじさん(^^;)。お遍路さんの身近にいる存在であるべきだと思っています。
お遍路は「同行二人」といわれます。お遍路さんは一人ではなく、お大師様が常にいらっしゃるという事です。お遍路さんとお大師様、「同行二人」の傍らでお手伝いをする。そんな先達でありたいと思っています。
先達にもいろんな形があります。私のように職業にしている人もいれば、個人で「先達」としてお参りをしている人もいらっしゃいます。
職業で先達をされている方は圧倒的に少なく、ほとんどは個人的にお参りされておられます。どのような形にしても、「先達」は「先達」です。
皆さんがお寺に行った時、赤い錫杖を持っている人がいたら遠慮なく話しかけてみて下さい。作法やマナー、お寺の見所などを教えていただけると思いますよ(^^)。
先達になるのは簡単です。逆に先達になった後が大変かも知れません。少なくとも私は、先達になってからの方が大変でした。
中務茂兵衛氏のような、愛される人気者の先達を目指して日々精進です(^^)。
そういえば、「おまいりんぐ」のあゆみちゃんも赤い錫杖を持っていますが、「この霊場に興味を持っていただく」ということでは、とても優秀な先達かもしれませんね(^^)。
合掌 (^人^)
お遍路スイッチVol.15
歩きお遍路で40万を使い、仕事を76日も休み、そして車を購入…。巷では大穴馬券を当てたという噂もチラホラ(-o-;)。そうであれば良いのですが、もちろんそんな事もなく、未来の私が支払う予定です(^^;)。
車を購入したらドライブ!という事になるのですが、いくら考えても四国しか思いつかない私は変ですか?
今回は「納経」のお話。
四国八十八カ所をお参りする場合、ほとんどの人が「納経」をします。「納経」というのは、「経」を「納めた」証として、写経を納めた参拝者が帳面や白衣・掛け軸に御朱印を頂く事です。現在では口に出してお経を読むこと、または写経の代わりに納め札を納める事で「納経」をしていただけます。帳面は四国八十八カ所では「納経帳」と呼ばれ、普通はこの「納経帳」を持って参拝します。何が書いてあるかというと、墨書きは、奉納の文字、ご本尊様の梵字、ご本尊様のお名前、お寺の名前。朱印は、札所の番号、ご本尊様の梵字(ほとんど)、お寺の印となります。ちなみに2回目以降は「重ね印」といって、墨書きはなく朱印だけをいただきます。朱印を見ると、何回お参りしているのか分かるようになっています。
「納経」には納経料金が必要です。
・納経帳 300円
・掛け軸 500円
・白衣 200円(朱印のみ)
となります。全てのお寺の「納経」をするとなると ×88 必要になります。納経帳だと26400円必要です。結構な金額になるので、なかには「納経」をせずにお参りをされている方もいらっしゃいますが、掛け軸・白衣はともかく納経帳は持たれる事を強くオススメします。
掛け軸は、代々引き継がれて行くもので「家宝」になるとよくいわれます。または毎日お水をお供えして手を合わせてお願い事をしてもよいそうです。
白衣は、背中に全ての朱印をいただき、あの世に行くとき着せてもらったり、棺に入れていただいたり、掛けていただくものです。
欲しくなったら是非いただいて下さい。
それ以外にも朱印をいただく場合があります。
お参りしているお遍路さんの背中に朱印があるのを見たことはないですか?
よく間違えられるのですが、先ほどの白衣はあの世に行く日まで袖を通すこともなく使うこともありません。お参りの時に着ている白衣は、別のものになります。お参りの時に着る白衣を「道中着」といいます。
この「道中着」の背中に朱印をしていただく事が出来ます。これは全てのお寺を押すのではありません。あくまでも、個人の趣味での選択になるのですが、よくあるパターンを紹介します。
・1番霊山寺・20番鶴林寺・39番延光寺・88番大窪寺
1番と88番は発心と結願という事ですが、20番と39番を何故押すのかというと、ご本尊様の朱印が梵字ではなく絵で印されているお寺が3ヶ寺あります。20番21番39番です。20番が「鶴」、21番が「龍」、39番が「亀」です。この中の「鶴」と「亀」が縁起が良いので背中にいただくそうです。
最近は「龍」もいただく方が増えています。龍が天に登るように縁起が良くなるのだそうです(^^)。私もお客さんには「龍」をオススメしています。
たまに全てのお寺の朱印をいただいた白衣を着てお参りをしている人を見かけますが、極論だと死体がお参りしていることになるので、気をつけましょう(゚o゚;
繰り返しになりますが、「納経帳」は持ってお参りすることをオススメします。
お経も読まずに納経だけする事をスタンプラリーと揶揄されますが、スタンプラリーだっていいんです。まずはお寺に足を運ぶことが大事!手を合わせる事からはじめましょう(^^)
合掌 (^人^)
お遍路スイッチVol.14
「春からはじめる」と題して、1番札所霊山寺に沢山のバスツアーが集結しています。真新しい白衣をまとい、慣れない手つきで線香・ロウソクをお供えする姿が初々しいです(^^)。
今回は「納め札」のお話。
八十八ヶ所のお寺は「札所」と呼ばれます。お参りに来た人が、お札に願いを託すことが出来るからだそうです。納め札には色があって、お遍路した回数によって変わります。
白札 1回~4回
青札 5回~7回
赤札 8回~24回
銀札 25回~49回
金札 50回~99回
錦札 100回以上
目指せ錦札!という訳ではないですが、このシステムが四国八十八カ所のひとつの魅力である事は間違いありません。レベルが上がっていくようで楽しいのかも知れませんね。
お遍路さんの中には、挨拶がわりに「何回目」と言われる方もいらっしゃいますが、個人的には何回お遍路したかではなく、どのような思いでお参りしたかという事が大事だと思っています。白札だから御利益が少ないという訳ではありません。
しかし、気持ちはよくわかります。私もお遍路をはじめた頃は「目指せ青札!」と思ってましたからね(^^;)。
「納め札」は、お寺でお願い事を託す他にも使います。お接待していただいた時に感謝の気持ちで差し上げたり、または名刺のようにご縁のあったお遍路さんと交換したりもします。
私の場合は、錦札を差し上げる時もあります。もちろん私は錦札(100回以上)ではありません。錦札の方から「欲しい人がおられたら」とお預かりしている納め札です。錦札は御守りになるといわれています。買う事の出来ない、ご縁でしかいただく事が出来ない御守りです。困っている人や頑張っている人に差し上げる事がほとんどなのですが、一番多いのは歩いている外人さんと若者です。励みになればと思っています(^^)。
今日も車椅子で参拝していた若いカップルがおられたので、差し上げました。どうやら初めて見られたようで、とっても喜んでいただけました。私の心も豊かになった気がします。錦札のチカラ恐るべし!そして、私にお札を託していただいた錦札の方に感謝です。
いろんな使い方がある「納め札」ですが、本来はお願いを託すものです。ご本尊様やお大師様に届くお手紙だと思って、気持ちを込めて納めていただけたらと思います。
ちなみに私は、ずーーっと赤札のままです(^^;)。そろそろ新しく作ろうかなぁ。
合掌 (^人^)
スタッフより:おまいりんぐチームも「錦札」いただきました! 大切にしていますよ^^
お遍路スイッチVol.13
今日は3月21日。お大師さまがご入定された日です。
お大師さまの命日と言われる方もいますが、お大師さまが高野山奥の院のご廟で永遠の禅定に入られた日です。今日お参りした37番岩本寺も「春の大祭」を開催され、沢山の参拝者て盛り上がっていました(^^)。
今回は、ついに歩きお遍路総括最終章!!「出会い編」です。
52番札所から50日かけて四国をグルッと一周。沢山の人に出会いました。前回書いた「お遍路宿」の皆さんや、Vol.9でも登場したYさんをはじめとする同じ時期に歩いていたお遍路さん、そしてお接待をいただいたり、「頑張って!」と励ましていただいた四国の皆さん。本当に良い出会いに恵まれたお遍路でした。こういった新しい出会いは、私にとって大事な宝物になると思います。
ただ、今回のお遍路では”新しい出会い”の他にもうひとつ大事な出会いがありました。厳密にいうと”出会い”ではなく”深く出会えた”というのが正しいかもしれません。
私の職業は先達です。沢山の人達を四国にお連れして霊場の魅力を伝えることを生業としています。バスツアーに同行していると、お寺の方をはじめ”四国八十八カ所”に携わる人達と顔見知りになります。ツアーの時は時間に限りがありますので、あまりお話も出来ません。そういったいつもお世話になっている皆さんと改めてご縁を結ぶ事が出来ました。本当に温かく迎えていただきました。お昼をご馳走になったり、お宿をお接待していただいたり、ご自宅に招いていただき一晩お世話になったり、宴会もしばしば(^^;)。沢山お話も出来て、今までの何倍も深く近いご縁になりました。
お遍路は”同行二人”といわれます。お大師さまと二人連れ、いつも側で見守っていてくださいます。このお遍路では、お世話になった全ての皆さんが私にとっての”同行二人”であり、お大師さまだったように思います。
結願の日の深夜に、フェリーで四国を後にしました。小さくなる四国の灯を眺めながら、「この人達とこの四国で一生関わって生きていきたい」そんなことを考えていました。
50日に渡るお遍路でしたが、もしかしたらこの気持ちになるために歩いていたのかも知れませんね。
出会った人達全てに感謝です。この場を借りてお礼申し上げます。「本当にお世話になりました。良いお遍路をありがとうございました」
今日はお大師さまがご入定された日と紹介しましたが、お大師さまは修行中です。四国を巡っておられます。”同行二人”きっとお大師さまを感じる事が出来ると思います。春のお遍路シーズンです。お遍路に出かけましょう!
今回で「歩きお遍路」総括は完結。くれぐれも最終回ではありません(^^;)。「お遍路スイッチ」が誰かの”同行二人”になれるまで頑張りますよ!
合掌 (^人^)
追記
そういえばサプライズもありました!
結願の日に”おまいりんぐ”のスタッフの皆さんが、お祝いの宴を開いてくださいました。それだけでもサプライズなんですが、”88”のロウソク付きのケーキまで用意していただき、いいおっさんなんですがグッときてしまいました(T^T)。(多分ここに写真を貼っていただけると思います)
よ:貼りました!!