お遍路スイッチ

お遍路スイッチVol.12

2013/03/08 (金)

仕事に復帰しました(^^)。 
76連休という夢のような長い休みでしたが、”光陰矢の如し”遂に終わりを迎え、3月からバスの先達を再開しました。またまた四国を行ったり来たりの毎日の始まりです。 
仕事始めは高知だったのですが、暖かくなってお寺もお遍路さんで賑わっていました。桜ももう咲いていましたし「春のお遍路シーズン」って感じですね。 

さて、今回は総括のつづきです。 
総括その2 「お宿編」 

当初は善根宿(善意の宿)、通夜堂(お寺のお堂)などに泊まって、旅費をかけずにお遍路する計画でした。が、以前にも書きましたが諸般の事情により、途中から宿やホテルに泊まる事となりました。四国には「お遍路宿」と呼ばれる民宿があって、ほとんどの歩きお遍路さんはこの「お遍路宿」に泊まりながらお参りをします。私も全てではないですが、沢山の「お遍路宿」にお世話になりました。 
お遍路さんは毎日その日の宿を目標に歩きます。1日の行程の終点ですからね。「今日の宿はどんなだろう?夕食は何?早く風呂に入りたい!」私の場合は宿が一番の楽しみでした。そういえば、お遍路さんどうしで話をするとよく「お遍路宿」の情報交換になります。昨日はどうだった、今日はここに泊まる、あそこは有名だから泊まったほうがいい、とまぁこんな感じです。皆さん宿選びにはチカラを入れているんですね。 
私の宿選びの基準はひとつ。料金だけでした。「お遍路宿」は素泊り2500円~4000円位、一泊二食5000円~8000円位です。コンビニが近くにあれば素泊まり、一泊二食だったら6800円までと決めていました。安ければ安い方がよい。設備に関しては特にこだわりません。お風呂、トイレがあればOK!しいて言えばトイレは洋式希望ということくらいです。もちろん和式でも我慢しますけどね。 
選ぶと言っても行程もありますので、選択肢は少ない場合がほとんどです。当たりハズレもあるのですが、全ては相性だと思います。女将さんやご主人と相性が良ければ、極端な話あとはどんなに悪くても気持ち良く出発出来ます。そして、その逆もあります。要するに泊まってみないと良し悪しはわからない、人それぞれということですね。ただお遍路さんどうしで噂になっている悪名たかき宿は避けましたけど(^^;)。 

今回のお遍路で良かった宿です。あくまでも個人的に良かったという事ですが、オススメの宿です。 

●越久田屋★★★★★ 
7番と8番の間。素泊まり専門の宿。4000円でした。 
システムが面白く、近くにある温泉に車で送迎してくれます。入浴料は料金に含まれていて、帰りに買い物も連れて行ってくれます。お寺の送迎もあり。清潔感のあるお部屋、共有スペースもあります。洗濯のお接待もありました。そして、一番の魅力はご主人(大将と呼んでます)です。見た目はパッとしませんが(^^;)、愛されるべき人という感じです。 
お部屋が禁煙という所を除けばパーフェクトです。88番から7番の折り返しで2泊しました。 

●すだち館★★★★☆ 
12番焼山寺の近くです。一泊二食で4000円!元々は善根宿だったのですが、事情により宿泊料金をいただくようになったそうです。ここも近くの温泉まで送迎してくれます。入浴料は宿泊料金に含まれています。お部屋は廃校になった学校の教員住宅を改装したものです。新しくはないですが快適に過ごせました。飾らない家庭料理が最高に美味しかったです。 

●ふれあいの里 さかもと★★★★★ 
20番鶴林寺への登山口から送迎してくれます。廃校をリニューアルした建物で、新しく清潔なお部屋です。料金は一泊二食6800円。お風呂は大浴場です。料理は地元で取れる物が中心です。美味しくいただきました。第三セクターという事もあり職員の方も沢山いらっしゃって、とても楽しく過ごせました。ここもお部屋が禁煙という所を除けばパーフェクトです。 

●民宿なづな★★★★☆ 
36番からの浦の内ルート沿いにあります。一泊二食6800円。なんといっても食事がスゴい!量がハンパないです。一食で御飯3合を食べる事の出来る私がお腹いっぱいになりました。女性は食べるの大変じゃないかと思ったのですが、到着の時にお客さんを見て献立を考えるそうです。ちなみに私が食べたのはフルMAXだそうです(^^;)。建物も設備も新しく清潔。お部屋がとってもメルヘンチックで可愛らしい感じ、特に女性にオススメの宿ですね。 

●ときわ旅館★★★★★ 
大洲の町の中にあります。若いご夫婦がやられております。古くは料亭だったらしく、味のある建物で雰囲気があります。相部屋を基本的には取らず、ひとりひとりに丁寧な接客をされているようです。ご主人も歩きお遍路の経験があり、お部屋の備品やお接待など細かい所まで気持ちが行き届いています。理想のお遍路宿です。朝早く出発したのですが、ご夫婦揃って見送りしていただきました。 

●橘屋★★★★☆ 
内子町です。44番へのひわた峠ルートにあります。落合トンネルまで送迎していただけます。お遍路さんにとっては、あまり評判のよくない宿もあったりして選択が難しい場所ですので、大変ありがたかったです。ただ宿泊料金は一番高く8000円!立地条件を優先した結果です。料理旅館だけあって食事は豪華でした。 

●民宿岡田★★★★★ 
66番雲辺寺の登山口にあります。お遍路さんには有名なお宿。毎回お世話になる宿です。おじいちゃんが最高!心暖まる宿です。出発の時は外まで見送ってくれます。「次に来たときは、もうおらんかもしらん」いつもそう言って手を振る元気なおじいちゃんです。一泊二食6000円でお弁当も付いてます。そして元気もいただけます。 

●たいや旅館★★★★☆ 
86番志度寺の手前。素泊まり3000円。とってもキレイで新しい宿。3000円は安すぎるのでは?と思う程です。素泊まりだったので、ご主人とはあまり話す機会もなかったのですが、気配りのある接客をされておられました。 


際立っていたのはこの8つの宿でしょうか。お遍路さんの中で有名な宿も幾つか泊まりましたが、やはり評判になるだけあって良い宿が多かったです。インターネットなどを活用して情報を集めればあまり失敗はないかも知れませんね。 

元気に出発して、暖かい気持ちで眠れればお遍路は何倍も楽しくなるんだと、今回歩いてみてよくわかりました。野宿や善根宿、通夜堂を使うお遍路とはまた違った魅力が「お遍路宿」にはあると思います。予算は掛かりますけどね(^^;)。 
ちなみに「お遍路宿」はクルマで行っても泊まることが出来ます。歩きお遍路さんとお話したり、ホテルとは違った出会いもあるんじゃないかと思います。オススメです! 
私も今回「お遍路宿」を通して、沢山の良いご縁を結ぶ事が出来ました。このご縁を大事にしていきたいと思っています。 

次回は総括最終回「出会い編」です。 


合掌 (^人^) 

追記 
密かに「お遍路宿」に泊まって花見でもしようかと企んでいます(^^)。誰か花見しませんか?

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お遍路スイッチVol.11

2013/02/19 (火)

沢山のご支援、ご声援、お接待、本当にありがとうございました。無事結願いたしました。 

今回はこのお遍路の「総括」をしようと思うのですが、50日間という長い旅でしたので一度に「総括」というのも難しいですし、もったいない?ので何回かに分けてお届けする事にします(^^)。 
テーマ別にするのか時系列にするのか迷いましたが、時系列はブログを書いていましたので(くだらないブログでしたけど(^^;))、この「総括」はテーマ別にしたいと思います。 

総括その1 「歩き編」 

皆さん興味があるところなんでしょうね、帰って来てから「”一番キツイ”と思ったのはどこ?」この質問が一番多いです。そして何故か私も”一番キツイ”をメインにお遍路の話をしているように思います。まぁ時間とお金をかけてキツイ”歩きお遍路”をしたわけですから、「こんなにキツイんだよ~」というお話はしたいと思います(^^;)。もちろん、「こんなに楽しいんだよ~」というお話も!「お遍路スイッチ」ですからね(^^)。 
  
遍路道四国一周1116㎞。 
「お遍路ころがし」といわれる難所や、永遠に続くのではないかと思わせる海岸線などお遍路にはキツイといわれる場所が沢山あります。 
一般的には11番藤井寺から12番焼山寺への山道12㎞が”一番キツイ”といわれています。ただ、今回私の”一番キツイ”はそこではありませんでした。もちろん”むちゃくちゃキツイ”お遍路道のひとつではあります。これは多分、行程の違いではないかと思います。大多数のお遍路さんは1番札所から始めます。すると通常ですと3日目に12番焼山寺へのお遍路道。経験的に3日目というと相当な準備をしていない限り、筋肉痛や小さな故障など足に何らかのトラブルを抱えているのではと想像出来ます(一番のトラブルの原因はシューズのチョイスミス。あとはアスファルトで足を傷めるそうです)。私の行程ですと52番太山寺が打ち始めですので、58 
番仙遊寺がそこにあたります。お遍路の経験した人に仙遊寺がキツイというと笑われるかもしれませんが、筋肉痛で足はパンパン、マメも出来ているしアキレス腱も痛い、75ℓの荷物を背負ってのこの旅初めての坂道、そして体重は105㎏。私にとっては焼山寺と同じくらいとまでは言いませんが、かなりキツイお遍路道でした。そして、60番横峰寺。5日目ということもあり、筋肉痛はすでに軽くはなっていたのですが、とにかく下り坂がキツイ!他の難所と比べるとたいした下りではないのですがキツイ!足が下り坂にまだ適応していないということなんだと思います。 
では、この2つが”一番キツイ”?というとそうでもなく、甲乙つけがたいのですが、20番鶴林寺から22番平等寺までが”一番キツイ”行程でした。20番鶴林寺、21番太龍寺は「阿波の3大遍路ころがし」といわれ難所(もう一つは12番焼山寺)。25日目なので身体は問題なく坂道もへっちゃらだったのですが、全ては天候です。朝から雨が降っていて山頂は積雪。山を2つ越えて行きますので、天気の流れは”雨→あられ→雪→積雪→雪→あられ→雨→あられ→雪→積雪→雪→あられ→雨”。歩いていると汗をかき、止まると3分で身体が芯まで冷える、この繰り返しでした。凍った下り坂も時間がかかりました。季節が違えばなんてことない遍路道なんですけどね。

他にもキツイところは沢山あったのですが、やはり前半の身体が出来るまで、そして天候が悪い日が記憶に残っています。ちなみに後半は体重が15㎏減!歩くのも楽チンでした(^^)。 
そういえば今回、自分の気持ちにビックリさせられました。お遍路をしていると感謝の気持ちを感じる事は多いのですが、自分の足に感謝するとは思いませんでした。ヘトヘトになるまで歩いて、宿の階段を上るのもやっと、トイレもままならない、そんな状態でも朝が来るとまた歩ける。そしてまたヘトヘトになるまで歩く、朝が来るとまた歩ける。「ありがとう俺の足!」自分の足をさすりながら泣きそうになりました(T^T)。 

”一番キツイ”があれば”一番楽しい”ももちろんあります。これこそ天気や体調によって人それぞれだとは思いますが、今回は22番平等寺から23番薬王寺までが”一番楽しい””一番気持ちイイ”行程でした。気づいた方もいらっしゃると思いますが、”一番キツイ”日の翌日です。打って変わっての晴天!だから?それももちろんあるとは思いますが、道良し、人良し、天気良し!文句なしの”一番楽しい”一日でした。 
この行程はルートが2つあります。55号線を歩く”国道ルート”と海岸線を歩く”海岸ルート”。去年バイパスが出来て交通量が少なくなったこともあり、距離も短い(約3㎞)国道ルートの方を選択する人が多いのですが、時間もあるし天気も良かったので海岸ルートを選びました。道は極端なアップダウンもなくアスファルトあり、山道ありの飽きのこない遍路道。86番志度寺以来11日ぶりに見る海も、太陽の光でキラキラ輝いて景色は最高。そして地元の人が優しい!沢山の人に声を掛けて頂きました。お接待もいっぱい(^^)。これから歩く人には海岸ルートをオススメします。 

あと、楽しいというと少し違うかもしれませんが、45番岩屋寺へのお遍路道が私にとっては特別なものでした。八丁坂という急坂があるのですが、そこで心の声?の様なものを聞きました。オカルトっぽくなって申し訳ないのですが、自分の中にいる誰か?と話しながら登りました。お大師様なのか、オバケなのか、疲れていただけなのかわかりませんが、不思議な体験でした。今思うと気持ち悪いのですが、その時は恐怖は感じませんでした。私の行程では最後の難所でしたので思い入れもあったのかもしれませんね。今回唯一のお遍路っぽいエピソードです(^^)。 

”一番キツイ”と”一番楽しい”を書きましたが、思い返すと”キツイ”と”楽しい”は同じだったような気がします。もちろん「思い返すと」ということですが、歩いている時には「もう二度と歩くことは無いだろう」と思っていましたが、今は「今度はまた夏にテントで挑戦しようか」などと思っています。不思議です(^^)。 

終わりははじまりのはじまり。そんな気がします。 


「総括」という事でしたが、他にも沢山紹介したいエピソードはあります。これからまた「お遍路スイッチ」の中でお話出来たらと思っています。今回はネタがいっぱい出来ましたので、乞うご期待(^^)。 

次回は「おへんろ宿編」です。 


合掌 (^人^) 



♦これから歩く人へのアドバイス♦ 

今回よく「行程がゆっくりですね」と言われました。50日かかったので確かにゆっくりではあるのですが、春や夏のようにはいきません。朝は早くても6時40分出発でないと暗いですし、日没も早い。前回の夏と比べると活動時間は1日3時間は違うと思います。私の場合は、暗くなるのもあるのですが16時を過ぎるとかなり寒くなるので、なるべく早く宿に入るように行程を組んでおりました。時間に限りがある人はやはり春や夏がいいのかもしれませんね。 
”歩きお遍路”した人と話をすると、「1日最高何キロ歩いた」「何日でまわった」という話になります。季節もそうですが、予算や日程など条件が人それぞれ違いますので、あまり気にせず自分のペースで歩くのが良いでしょう。

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お遍路スイッチVol.10

2013/02/06 (水)

またまたお遍路の空の下です。48日目です。 

あと2日で結願です。もうすぐ終わるとなるとちょっと寂しいですね。次回の「お遍路スイッチ」でこの旅の総括をしたいと思っています。今回は当初の予定と実際とではどのくらい差があったのかを検証してみたいと思います。 

Vol.7のよくある質問から検証してみます。 

Q.全部歩くの? 
A.全部歩きます。ロープウェイ等も使いません。 

全部歩きました!ロープウェイも使ってません。宿の関係や買い物などで、バスや電車を使いましたが必ず同じ場所に戻っています。 

Q.どこに泊まるの? 
A. 最初はテントも持参しようと思ったのですが、今年は寒派も厳しいようなので断念。基本はお遍路宿(民宿)で、お寺の通夜堂や善根宿(お接待)は利用します。野宿とまではいきませんが、壁・屋根があるところは寝袋で対応したいと思います。 

前半は野宿や善根宿にも泊まりましたが、難所をいくつか越えた後、荷物の重さに耐えられず断念。高松のモンベルでリュックを購入してコンパクトなものに変更しました。高松後は全てお遍路宿です。 

Q.予算はどのくらい? 
A.1日平均6000円×50日で30万円+αと計画しています。 

リュックを購入したりシューズを交換したり、また宿泊が基本になりましたので40万くらいです。 

Q.荷物はどのくらい? 
A.リュックは70ℓです。重さは10㎏くらいに成ればと思っています。軽ければ軽い方がベスト。 

新しく購入したリュックは35ℓ。重さは7㎏くらい。 

Q.何を持って行くの? 
A.納経帳などお参りの道具、下着の替え、防寒具、寝袋(-18℃仕様)、懐中電灯、ランタン(小)、カッパ、ポンチョ、銀マット、スマホの電池(4回満タン分)、洗面道具等々。 

寝袋、銀マットは送り返しました。 

Q.何を着て行くの? 
A.これが一番悩みました。歩けば暑い止まれば寒い、四国は寒暖差も激しいので厚着も薄着も厳しいです。 
色々考えた結果、インナーはヒートテック上下にTシャツ、ナイロン製で裏フリース素材のジャージ上下、その上にいつも着ているデニムの作務衣の上だけ、寒い時はダウンのベスト、更に寒い時はポンチョという感じになりました。小物はニット帽、ナイロン製の手袋、ネックウォーマー、登山用の靴下。菅笠は最後まで悩みましたがリュックがデカ過ぎて被れず断念しました。 

思った以上に歩くと暑かったです。ダウンのベスト、ニット帽、ナイロン製の手袋、ネックウォーマーはほとんど使いませんでした。代わりに頭にはタオル、首にもタオル、軍手。菅笠はリュックが小さくなったのでお接待で頂いたものを雨の日だけ被りました。 

Q.靴はどんな物? 
A.一番お金を掛けました。お遍路は靴が命です。 
モンベルのトレッキング用で柔らかい素材の物を選びました。中敷きも変えました(なんと4500円!)。前回は夏だったので軽さを重視してマラソンシューズを採用したのですが、今回は雪道もあるのでトレッキングシューズにしました。

一足では保ちませんでした。同じ物を徳島のモンベルで購入して33日目に交換しました。雨にも水溜まりにも負けず、一回の浸水もなくアスファルトでも山道でも歩きやすかったです。 

Q.1日どのくらい歩くの? 
A.場所にもよりますが35㎞くらいでしょう。夏より距離は出ると思いますがゆっくり行きます。 

前半は25キロくらい、中盤後半は30キロ前後でしょうか。日の出が遅いので目一杯で35キロでした。 

Q.痩せると思う? 
A.アンガールズになる予定。ジャンガジャンガ練習中。 
ちなみにスタートは105㎏! 

痩せました!90キロ!マイナス15キロです。 
一週間で元に戻りそうな予感。お腹周りが多少スッキリ。アンガールズには程遠いですが(^^;) 

Q.ひとりで寂しくない? 
A.大人ですから。 

寂しかったです。本当に歩くのがつらい時に音楽を聴きました。スマホにエレファントカシマシのベスト盤をダウンロードして聴いていたのてすが、これがハマりまして泣きながら歩いていました(T^T) 


とまぁこんな感じで、計画通りにはなかなか行かなかったのですが、怪我も故障もなく全て歩き通せたことが何よりかと思います。 
といってもまだ終わってないんですけどね(^^;)。 
あと2日です。天気も良さそうですし楽しんで歩いてきます! 

次回は「総括」します。 

  
合掌 (^人^)

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お遍路スイッチVol.9

2013/01/20 (日)

引き続きお遍路の空の下です。
25日目です。予定では丁度半分。薬王寺までお参りしましたので、お寺の数は60ヶ寺です。
心身共に良好。
適度な運動と美味しい御飯で体重はあまり変わっていません(^^;)。
体型は少し変わり、一段とレスラーっぽくなってきました(^^)。


さて、今回のテーマは「自分らしく歩く」です。

なぜこのテーマにしたかというと、今日Yさんと4日ぶりに再会したからです。
Yさんとは7番札所近くの「越久田屋」という宿で一緒でした。Yさんは初日から足の裏に大きな水膨れ、マメだらけという状態で歩くのがやっとという感じでした。遠方から四国に来られているので、簡単にリタイアする事もできず、荷物を次の宿に送りながら負担を軽くして焼山寺の宿までは私と一緒のペースで頑張っておられました。その後は「ゆっくり行きます」と別れたのですが、今日薬王寺の宿で一緒になりました!話を聞くと宿の主人のススメで電車を使って来たそうです。ちょっと恥ずかしそうに話してくれました。
Yさんの気持ちを思うと、同じ歩きお遍路をしている身としては胸が痛くなりました。「歩く!」と決めて始めたお遍路、電車に乗るのはかなりの勇気が必要だったのではないかと思います

「こだわらずとらわれず」以前コラムでも書きましたが、身体の状態によってはバスや電車を使うのもひとつの方法だと思います。今の自分を受け入れることも必要だと思います。
多分Yさんはお遍路を始めてから一週間「痛い、辛い、悔しい」そんな気持ちでお参りしていたのではないかと思います。なかには「それが修行」という人もいるかもしれませんが、私はそれだけが修行だとは思いません。お遍路は人生に似ているとよくいわれますが、つまずいたらそこで止めてしまうのではなく、何とかして次の一歩を踏み出す。自分の意志を曲げてでも先に進む。それも修行だと思います。

Yさんは「チャンスは今回だけ」とおっしゃられていました。早く足がよくなり「痛い、辛い、悔しい」から解放され、YさんのYさんらしいお遍路が出来たらいいですね。
「お大師さまも現代に生まれていたら、多分車でお参りすると思いますよ」
冗談でYさんに言ったら少し笑ってくれました。

もしかしたら「自分らしく」というのは、全てが終わり振り返って見て「これが自分らしいお遍路だった」と思うものなのかも知れませんね。


さて、私も残り半分です。「自分らしい」お遍路を目指し頑張りたいと思います。ブログ「空と海の出会う場所」もくだらないことばかりですが(^^;)、引き続きやっております。よかったら見て下さい。

リンクはこの下あたりにはっていただけると思っています(多分)


またまたはりました!w(by 管理人)

合掌 (^人^)

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お遍路スイッチVol.8

2013/01/05 (土)

あけましておめでとうございます(^^)。 

「歩きお遍路」の空の下でこの原稿を書いています。 

12月21日から始めたこのお遍路もすでに14日目です。やっと身体が歩く事に慣れてきて、お遍路を楽しめるようになってきた所です。足が出来上がるまでは、辛くて厳しい毎日でした。マメが出来たり、アキレス腱が痛くなったり、筋肉痛で和式トイレが使えなかったり。人間は環境に合わせてちゃんと成長して行くんだなぁと実感しています。 

そして、あらためて四国の人達の「お遍路さん」への温かさを感じながら毎日歩いています。お接待をはじめ、声を掛けていただいたり、笑顔で挨拶を交わすだけでも元気をいただけます。通学の子供達と遭遇した時などはひとりひとりとご挨拶ですのでちょっと大変ですが、子供達の笑顔にやられっぱなしです(^^)。 
しかし、お遍路は始まったばかり、まだまだ何があるかわかりません。良い事もそして悪い事も。「お遍路は人生そのもの」といわれますが、歩いているとその意味がよくわかります。いずれそんなお話も出来ればと思います。 

そんな「歩きお遍路」の魅力をリアルタイムでお伝え出来ればと「おまいりんぐ」のスタッフさんがブログを作ってくれました。「空と海の出会う場所」といいます。名前だけはいっちょ前なんですが(^^;)、今のところはその時その時に見たもの、思った事、感じた事をアップしているだけです。帰ってきたら全てに追記を施して、ちゃんと読めるものにしようとは思っていますが、今はなんといってもリアルタイムですから!地図を片手に見ていただくと疑似お遍路体験も出来ます。暇つぶしにはもってこいです。良かった見て下さい(^^) 

この下あたりにリンクを貼っていただけると思ってます(^^) 



はりました!(by 管理人)

それでは今年もどうぞ宜しくお願い致しますm(_ _)m 


合掌 (^人^)

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お遍路スイッチVol.7

2012/12/18 (火)

12月21日に出発します。


ただし雨天順延です(^^;)「良い天気!」からのスタートが鉄則。ただ単にテンションの問題なんですけどね。まぁ今回は日程に余裕のある旅なので、せめて雨が降らない程度で歩きはじめられればと思っています。 

行程はフェリーで愛媛県の三津浜港に上陸しまして、52番札所太山寺が打ち始めになります。グルッと一周して51番札所石手寺が結願です。予定は50日。余裕がかなりありますので、ご縁を大事にして楽しくお遍路したいと思います。 

よくある質問にお答えします。 

Q.全部歩くの? 
A.全部歩きます。ロープウェイ等も使いません。 

Q.どこに泊まるの? 
A. 最初はテントも持参しようと思ったのですが、今年は寒派も厳しいようなので断念。基本はお遍路宿(民宿)で、お寺の通夜堂や善根宿(お接待)は利用します。野宿とまではいきませんが、壁・屋根があるところは寝袋で対応したいと思います。 

Q.予算はどのくらい? 
A.1日平均6000円×50日で30万円+αと計画しています。 

Q.荷物はどのくらい? 
A.リュックは70ℓです。重さは10㎏くらいに成ればと思っています。軽ければ軽い方がベスト。 

Q.何を持って行くの? 
A.納経帳などお参りの道具、下着の替え、防寒具、寝袋(-18℃仕様)、懐中電灯、ランタン(小)、カッパ、ポンチョ、銀マット、スマホの電池(4回満タン分)、洗面道具等々。 

Q.何を着て行くの? 
A.これが一番悩みました。歩けば暑い止まれば寒い、四国は寒暖差も激しいので厚着も薄着も厳しいです。 
色々考えた結果、インナーはヒートテック上下にTシャツ、ナイロン製で裏フリース素材のジャージ上下、その上にいつも着ているデニムの作務衣の上だけ、寒い時はダウンのベスト、更に寒い時はポンチョという感じになりました。小物はニット帽、ナイロン製の手袋、ネックウォーマー、登山用の靴下。菅笠は最後まで悩みましたがリュックがデカ過ぎて被れず断念しました。 

Q.靴はどんな物? 
A.一番お金を掛けました。お遍路は靴が命です。 
モンベルのトレッキング用で柔らかい素材の物を選びました。中敷きも変えました(なんと4500円!)。前回は夏だったので軽さを重視してマラソンシューズを採用したのですが、今回は雪道もあるのでトレッキングシューズにしました。 

Q.1日どのくらい歩くの? 
A.場所にもよりますが35㎞くらいでしょう。夏より距離は出ると思いますがゆっくり行きます。 

Q.痩せると思う? 
A.アンガールズになる予定。ジャンガジャンガ練習中。 
ちなみにスタートは105㎏! 

Q.ひとりで寂しくない? 
A.大人ですから。 

とまぁこんな感じです。ただ「歩き遍路」は予定どうりにはいかないものです。途中で荷物が増えたり、予算が掛かったり、体重が減らなかったり(^^;)、そこが楽しいところなんですけどね。 


今回は「歩き遍路の魅力」の続編を書く予定にしていたのですが、色々書くより実際に歩いてる中で伝えていけたらと思っています。 
そんな中「おまいりんぐ」のスタッフからブログのお話を頂きました。どのような型になるかまだ分かりませんが、「お遍路スイッチ」の番外編と思って読んで頂けたら幸いです。タイトルだけは決まっていて(^^;)、「空と海が出会う場所」です。空海と掛けてます(^^)。構えず全てをさらけ出すつもりで書こうと思います。そして電池のある限り更新したいと思っています。 

それでは次回は四国の空の下からです。 
行って来ます!! 


合掌 (^人^)

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コラム~お遍路スイッチvol.6

2012/12/07 (金)

歩きに行きます。


12月末から年をまたいで歩き遍路を計画しています。
仕事もお休みして50日くらいの予定。前回は真夏で時間に余裕もなかったので、今回はゆっくりまったりと歩きたいと思います。
旅行もそうだと思いますが、出掛ける前が一番楽しいのかも知れません。新しいシューズを脱いだり履いたり、シュラフで試しに寝てみたりと、まるで遠足へ行く前の小学生のようです(^^)。
初めての真冬の歩き遍路なので不安もありますが、はりきって行って来ようと思います。きっと寒いんでしょうね(>_<)

そういう事で今回は「歩き遍路の魅力」です。

個人的には「道に迷う」「考える時間が沢山ある」「お接待」この3つが三大歩き遍路の魅力です。
特に「お接待」は、四国の皆さんと直接ふれあう事が出来るので私にとっては一番の魅力。「お接待」があるから四国を歩くと言っても過言ではありません。
「お接待」と聞くと、おねぇさんのいるお店に連れて行ってくれそうですが(笑)、もちろんそんな事はありません。とても素敵な”四国の文化”です。
具体的には、お遍路さんに飲み物や食べ物を施すこと。現金や一晩の宿を提供される方もいらっしゃいます。「頑張って」「気をつけてね」など言葉も「お接待」です。
前にも書きましたが、お遍路は”同行二人”といってお大師様と二人連れです。四国の方々はお参りをしている私達、そして一緒にいらっしゃるお大師様に「お接待」をされておられます。断らず笑顔で受けるというのがお遍路さん側のマナーです。
お遍路さんは「お接待」を頂いたら、自身の”納め札”を一枚お渡しすることで感謝の気持ちを現します。その”納め札”を千枚集めると四国八十八ヶ所を全てお参りしたのと同じ功徳があるともいわれていて、なかには玄関にズラリと張られている方もいらっしゃいます。

では、物を頂くのが魅力なのかというと、もちろんそんな事はありません。”元気”というか”チカラ”を頂けるんですね。
疲れ果てている時や諦めてしまいそうな時、絶妙なタイミングで「お接待」を頂く事があります。「この人はお大師様の使者なんじゃないか?」と思うこともしばしばあります。

私が真夏に歩いた時のお話です。
71番札所弥谷寺の手前の道の駅。あまりの暑さでバテてしまい日陰で座り込んでいました。目の前に一台の観光バスが止まり、中からお母さんと小学生くらいの女の子が降りて来られ「お接待」を頂きました。
バスが去ってから頂いた袋を開けてみると、現金150円とお手紙、さらに小さな袋が入っていました。
手紙の文面です。


「おへんろさんへ
おまいりごくろうさまです。これでつめたいジュースのんでください。いっしょにはいっているのはわたしの町のゆうめいな花のたねです。おへんろさんが家にかえったら花をいっぱいさかせてください。元気でがんばってください。」


お母さんと一緒に一生懸命書いている姿を想像したら元気が出て来て、一気に弥谷寺に登ったことを思い出します。ちなみに翌年の春に綺麗に花は咲きました(^^)。
”納め札”を交換させて頂いたんですが、やはり四国の方でした。自身もバスでお遍路をしながら、歩いている人に「お接待」をされているそうです。

「お接待」は本当に素敵な文化だと思います。是非、若い皆さんにも受け継いでいって頂きたいですね。
私もバスで先達をしていますので、いつも”ぽち袋”を持ち歩いてチャンスがあれば「お接待」させて頂いています。「お接待」する側にも”元気”や”チカラ”を頂けるのが「お接待」そう思っています。

「歩き遍路の魅力」だったんですが、何か「お接待」のお話になっちゃいましたね(^^;)。
という事で、次回も「歩き遍路の魅力」です。宜しくお願いします。


合掌 (^人^)

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コラム~お遍路スイッチvol.5

2012/11/24 (土)

もうすぐ師走です。
12月になると沢山のイベントがあります。忘年会、クリスマス、大晦日、等々。新しい出会いも多いのではないでしょうか?男女の出会いはもちろん、仕事の上でも人間関係が広がるチャンスも多いと思います。寒いやら忙しいやら言ってないで、街に繰り出しましょう(^^)

という事で、今回は”縁結び・商売繁盛”に御利益があるとされる「歓喜天(かんぎてん)様」がテーマです。

前回「御本尊様」のお話しをしましたが、札所には本堂・大師堂以外にも沢山のお堂があり、様々な仏様や神様が祀られています。その中のひとつ「歓喜天様」です。もちろん全国には「歓喜天様」が御本尊様のお寺もあります。 
 四国霊場の中にある「歓喜天様」のお堂で有名なのは、50番札所繁多寺と85番札所八栗寺。
繁多寺には徳川四代将軍家綱の持念仏で3体ある内の1つが歓喜天堂に、八栗寺にはお大師様作とされるものが聖天堂に祀られています。
いくつかお堂はありますが、代表的なのはこの2つでしょう。
 
「歓喜天様」のお名前を初めて聞かれた方も多いと思います。聖天(しょうてん)、大聖歓喜天(だいしょうかんぎてん)と呼ばれることもあり、天部になりますので神様です。
天部というのは、古代インドの神々が仏教に取り込まれたもので、如来・菩薩・明王が人々を救済するのに対して、仏法を守護し、福徳を授ける役目をされています。
「歓喜天様」も守護神です。ヒンズー教でのお名前は「ガネーシャ」です。
「ガネーシャ」というほうが、皆さんにはピンと来るかも知れませんね。数年前に古田新太さん主演の「夢をかなえるゾウ」というドラマがありましたが、「ガネーシャ」が主役のお話です。あとパワーストーンやシルバーのアクセサリーなんかを売っているお店で、象をモチーフにしたものは殆どが「ガネーシャ」です。

では「歓喜天様」の御利益はというと、先にも書きましたが”縁結び・夫婦和合・商売繁盛”といわれます。
「ガネーシャ」と違い「歓喜天様」は、顔が象で身体が人間、2体が抱き合っている姿が一般的です。ほとんどが秘仏なので、なかなか見る機会が無いのですが、以前ある札所で見せて頂いたものは、いかにも”縁結び・夫婦和合”という感じでギュッと抱き合っていらっしゃいました(笑)。
大根と甘い物が大好きな「歓喜天様」”死ぬまで大根を口にしない”と願をかけると、いち早く願いを叶えてくれるそうです。その功徳はとても霊験が強く、子孫七代までの幸福を一身に集め授けるといわれています。ただし大変チカラが強い為、もしその祈願の時に交わした約束を破ると命を落とす程の罰が当たるともいわれます。先達によっては「歓喜天様は罰が怖いので、生半可な気持ちでお願いをしてはいけない」と言われる方もいらっしゃいます。

チカラが強くて怖いイメージの「歓喜天様」なんですが、私はあまりそういう風には思っていません。もっと身近に感じて、いつでも手を合わせる事の出来る神様だと思っています。実際私も願をかけていて、「なるべく大根は食べません」と約束しています。「なるべく」としておかないと酔っ払った時に、たくあんや大根おろしを食べちゃう恐れがありますからね(笑)。
そして、これは八栗寺のご住職に教えて頂いたのですが、「歓喜天様」は願いが叶いお礼参りに来る人達の喜んでいる顔を見るのが大好きなので、歓迎の歓に喜ぶと書いて「歓喜天」というそうです。

ご真言は「おんきりく ぎゃくうん そわか」
この真言を7回唱え意中の相手の名前を呼べば、その人を呼び寄せられる。人から愛され敬われるともいわれます。

出会いの多い年末を迎える前に、そして2013年の初詣に「歓喜天様」をお参りするのも良いかも知れませんね。ちなみにお供え物は、好物の大根や甘酒が良いといわれます。しっかり準備して出かけましょう!


合掌 (^人^)

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コラム~お遍路スイッチvol.4

2012/11/12 (月)

徳光さんが歩いています。
「徳さんのお遍路さん」BS-TBSで日曜日の朝9時から放送しています。まだ始まったばかりで、今週6番札所を放送予定。
実際の徳光さんはというと、ちょっと前に39番札所延光寺で目撃情報がありましたので、そろそろ愛媛県に入られた頃でしょうね。
「おまいりんぐ」とのコラボがあったりして?あゆみちゃんとの”夢の共演”見てみたいなぁ(^^)。


今回のテーマは「守り御本尊様」

お寺(四国霊場に限らず)には、必ず本堂もしくは金堂と呼ばれる中心的存在のお堂があります。
この本堂に祀られているのが、御本尊様です。お寺で最も大切な仏様です。仏様には、如来、菩薩、明王など様々なお姿があり、お寺によって御本尊様は違います。
四国八十八カ所霊場には、全部で15種類の御本尊様がいらっしゃいます。ちなみに、一番数が多いのは薬師如来様で24カ寺です。
「おまいりんぐ」の八八さんのように、各札所のそれぞれの御本尊様が、皆さんをお迎えしておられます。

各お寺に御本尊様があるように、私たちにも個々を守護してくださる仏様があります。この仏様が「守り御本尊様」です。「八仏」「八尊」「守護仏」と呼ばれることもあり、干支で決まっています。


子     千手観音菩薩
丑、寅   虚空蔵菩薩
卯     文珠菩薩
辰、巳   普賢菩薩
午     勢至菩薩
未、申   大日如来
酉     不動明王
戌、亥   阿弥陀如来


こういうラインナップ?です。

 

御本尊様にはご真言があって、3回唱えると良いといわれます。例えば、私は「守り御本尊様」が大日如来様ですので「おん あびらうんけん ばざらだとばん」と3回唱えます。自分の御本尊様のご真言を覚えておくと良いでしょう。ピンチやチャンスの時、きっとチカラを貸していただけます。
”ご真言”と検索すれば、すぐに見つかると思いますので、調べてみてください。

 

御守りを買う時にも関係してくる場合があります。
パワーストーンのブレスレットを着けている方をよく見ますが、正式には”腕輪念珠”といって、お寺では「守り御本尊様」別に御守りとして売っている所もあります。パワーストーンも悪くはないですが、「守り御本尊様」も加えていただくと更にパワーアップ?ですよ(^^)。
また、どの札所で御守りを買おうかと迷った時は、自分の「守り御本尊様」が御本尊様の札所を選ぶというのもひとつの方法です。

 

お遍路さんの中には、お参りを始める時、1番札所霊山寺の境内にある等身大の「守り御本尊様」に、出発のご挨拶、道中の安全を祈願される方もいらっしゃいます。

 

ひとつ残念なのは、四国霊場の中に普賢菩薩様と勢至菩薩様が御本尊様の札所が無いということです。
辰年、巳年、午年の方は、先ほどの霊山寺や40番札所観自在寺などに行くと「守り御本尊様」がずらりと並んでおられますので、そういう札所でしっかりお参りすると良いでしょう。
また、81番札所白峯寺は「十二干守り本尊泰安の寺」ともいわれ、全ての干支のお堂が揃っています。
他の札所にも、脇仏様としていらっしゃることがありますので、探してみるのも楽しいかも知れませんね。

 

自分の「守り御本尊様」を知ることで、お遍路も更に充実すると思います。
お遍路に限らず、近所にあるお寺の御本尊様が、自分の「守り御本尊様」だったりしたら結構テンション上がりますよ↑↑。


合掌(^人^)

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コラム~お遍路スイッチvol.3

2012/11/02 (金)

すっかり秋です。
お遍路シーズンまっさかり!札所(お寺)はお遍路さんで白く染められています。
今年はうるう年ということで、”逆打ち”の年。
4年に一度のイベント?なので、盛り上がっています。

“逆打ち”というのは、その名の通り札所の番号を逆にお参りする事。88番から87、86、85・・・とお参りして行きます。″御利益が3倍″または″お大師さんに出会える旅″といわれています。
もとは”衛門三郎”という人のお話がはじまり。興味のある人は検索してみてください。

まぁとにかく盛り上がっていて、私は主にバスのお遍路さんの先達を生業としているんですが、今年はこのままいくと年間270日はお遍路をしている計算になります。
ちなみにこの原稿も、”逆打ち”ツアーの高知のホテルで書いています。


さて、今回のテーマは「御守り」

私は、「御守り」大好き先達です。
こう書くと”アメトーク”っぽいですが(笑)、「御守り」を愛してやまない先達です。

「御守り」というと、開運.招福.厄除.魔除といろいろありますが、御利益を手元に置いたり、持ち歩けるのが「御守り」だと思っています。
普段の生活の中でもそうですし、重大な局面やピンチやチャンスの時に、心の糧になってくれるアイテムです。

お遍路をしている時は「同行二人(どうぎょうににん)」といって、お大師さんと二人連れで歩き、お大師さんにお守りしていただいています。
お遍路さんの持っている金剛杖にはお大師さんの魂が宿るといわれ、杖が「御守り」になります。

八十八カ所霊場にも、各札所に様々な「御守り」があります。
「先達さんのオススメは?」とよく聞かれるんですが、「御守り」にオススメはありません(笑)。
ひとつ紹介するならば、18番札所恩山寺の”摺袈裟(すりげさ)”。私が肌身離さず持っている「御守り」です。

亡くなった時、棺桶に入れると極楽往生。
亡くなった人の仏壇に供えると、まだまだ間に合う極楽往生。
そして、生きている私たちが持つと、”悪い事が良い事に変わる”。

これが”摺袈裟”です。

“悪い事が良い事に変わる”。
これは私の勝手な解釈になりますが(笑)、仏教の言葉に「悪因悪果」というのがあります。悪い結果には必ず悪い原因があるということです。
例えば、裸で寝る→風邪をひく。悪い原因が裸で寝る事で、悪い結果が風邪をひく事。
では、これが良い結果に変わるとなるとこうなります。
裸で寝る→風邪をひく→通院→かわいい看護士さんとの出会い→幸せな結婚。
ちょっと強引ですが(笑)、こういう事です。
ようするに、現在は過去の積み重ね、過去のマイナスは全て現在の幸せの為にある。そういう「御守り」です。

欲しくなったでしょ?

“摺袈裟”をはじめ、八十八カ所霊場には沢山の魅力的な「御守り」があります。「御守り」大好き先達としては、是非このコラムでシリーズ化して紹介していきたいと思っています。

人生は自分で切り開くものですが、お遍路さんに「同行二人」お大師さんが一緒にいてくださるように、皆さんも心の糧として「御守り」を持つと心強いですよ。

 

合掌(^人^)

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