





- 宗派:
- 高野山真言宗
- 開基:
- 弘法大師
- 創建:
- 弘仁6年(815年)
- 住所:
- 徳島県板野郡上板町引野8
- 電話:
- 088-694-2046
- 駐車場:
- あり(無料)普通80台・大型10台
- 宿坊:
- あり(300人)

古くから温泉があり、安楽寺は弘法大師によって温泉湯治の御利益が伝えられた旧跡で、山号は温泉山とされています。
桃山時代に阿波藩から「駅路寺」と定められ、四国遍路や旅人の宿泊、茶湯接待の施設を置かれます。宿坊は以来400年の歴史があります。
愛知県の水谷しづさんの話が有名で、今も語り継がれています。昭和37年のお話です。水谷しづさん(当時49才)は脊椎カリエスという難病を患い床にふせておりました。ご主人の繁治さんはしづさんの病気平癒を祈りお遍路をされていましたが、なかなか良くならず。それを見た当時のご住職が病床で苦しむしづさんを伴いお遍路をすることを勧められます。
当時は車はありましたが、今のように境内の近くに駐車場があったわけではありません。行けるところまでタクシーで行き、あとはしづさんを背負ってお参りされたそうです。
2人が高知の一番の難所、27番神峰寺に参拝した時に不思議な事があったそうです。
「まっ縦」といわれる程の急坂を下っている時、足を滑らせて、しづさんを背中から落としてしまいます。慌てて起こそうとすると、しづさんが「待ってください。なんだか立てそうな気がします」と言われ自力で立ち上がります。しづさんはその時「2回しゃくられた気がした」と言われたそうです。
仏様とお大師様に手を借り立ち上がることが出来たそうです。
そこから徐々に病気は快方に向かい、88番大窪寺では2人仲良く歩いて結願出来たそうです。
この霊験に感激された水谷夫妻が、昭和38年、3mの薬師如来像を四国遍路を指南していただいた御礼にと奉納され現在の本尊です。古来の本尊は胎内仏として納められています。

多宝塔
内部は極彩色の仏画や彫刻で浄土を表現されています。また、周囲では八十八ヶ所のお砂踏みが出来るようになっています。
さか松
猟師がお大師様を獲物と間違って放った弓矢から、身代わりになり助けた松。
身代わりになった折れた枝をお大師様が逆さに植え「もしこの松が芽を出し栄えることがあれば、後にこの地を踏む者は厄除けの法によって災厄を逃れるであろう」と言われたそうです。
「厄除けのさか松」と言い伝えられています。
宿坊
温泉山の山号にふさわしい、天然温泉の大浴場があります。
玄関が素晴らしい。天井には鳴門の渦潮が描かれ、食に困らないようにとカボチャや蓮根など食材の彫刻がほどこされています。

歩きのお遍路さんの中には野宿をする人もいらっしゃいます。
通夜堂というのをご存知でしょうか? 通夜堂というのは、本来は夜を通して仏事を勤行するためのお堂のことを指しますが、四国では通夜のためのお堂ではなく「歩き遍路さん」が無料で宿泊出来る施設を通夜堂と呼ぶ場合があります。お寺がお接待で泊めていただけるありがたい施設です。
ここ安楽寺では山門の2階が通夜堂になっています。実際に泊まらなくてもチラリと覗いて見ては如何でしょうか。「もし今晩ここに泊まるとしたら....」なんていう想像をしてみるのもいいかも! 山門入って左側に階段があります。恐る恐る上がって見ましょう。先客がいるかも知れませんからね! 実際に泊まる場合は必ずお寺にその旨お願いするのをお忘れなく。
また、その山門を出て左手に「しらかわ」という売店があります。巡拝用品・お土産も揃います。なにより自家焙煎のコーヒーがとても美味しい! お遍路の途中に一息つかれたい方にオススメ!


癒安(ゆあん)
第六番札所・安楽寺に棲む、八八さん六女。
たすきをかけた着物と風呂桶は、「温泉湯治のご利益」が伝わる安楽寺の八八さんのトレードマーク。
世話好きの姉さん女房タイプ。一見おっとりとした性格だが、意外にも大胆な行動をとったりする。
弓矢からお大師さんを守った「さか松」を拠り所としている彼女。本編でもどこからか飛んできた矢を風呂桶で受け止め、たいさんを救った。
名前の由来は、「温泉湯治」から連想。癒しと安らぎを与える少女という意味で「癒安」と名付けられた。
◎八八さん×拠り所
お大師さんお手植えの厄除けの「さか松」。
猟師の弓矢からお大師さんを守ったと伝えられる。

◎八八さん×スイーツ
癒安をイメージして誕生したスイーツ。
桶に浮かぶ、もっちもちの白玉団子。お好きなソースで召し上がれ♪ ほっと一息つきたくなる、安らぎを運んでくれる和の甘味。 by もへんろ茶屋

- 一日目の巡礼は、ここ安楽寺で終わり! 今夜は「通夜堂」でお泊りするんよ。
- 山門の二階を、お遍路さんの宿泊スペースとして開放してくれてるって有難いよな。
- その心遣いのおかげで、あたしたちは タ ダ で寝泊まりができるんよ!
- ちょ、タダを強調しすぎ。
- あゆみちゃん、恵ちゃん。うちが紹介した「通夜堂」はどう?
- 山門の中って隠れ家みたいでドキドキやね。宿坊や旅館に泊まるんもいいけど、こういう場所を使わせてもらうんはお遍路さんならではって感じがして楽しい♪
- 確かに、なかなか体験することじゃないわよね。
- うん! 思わず“隠れ家ごっこ”しそうになるよね!
- (“隠れ家ごっこ”て何するのかしら……? ヒトの間で流行ってるの……?)
- (いや、知らんし。流行ってもないと思う……)
- ……ここ以外にも、お遍路さんに休憩場所を提供してくれるところがあるけど、利用するときはちゃんとマナーを守ってね。はしゃぎ過ぎはダメよ。
- はーい!
- いや~、しかし、一日目の終わりが癒安さんのお寺で本当よかった。
- ほんとやね~。蔵杏羅さんとこの地蔵寺やったら、休むどころやなかったはずやけん。
- チラッ。
- ……な、何かチラッと見えたような?
- き、気のせいやって。
- う、うん。あたしには何も見えんかった、かな?
- チラチラッチラリンッ☆
- ……………………。 ……………………。 ……………………さて、寝るか。