





- 宗派:
- 高野山真言宗
- 開基:
- 弘法大師
- 創建:
- 弘仁年間(810年~824年)
- 住所:
- 徳島県阿波市市場町切幡字観音129
- 電話:
- 0833-36-3010
- 駐車場:
- あり(無料)
普通20台 中・大型は侵入不可 - 宿坊:
- なし

その昔、切幡山の山麓に機織りの娘がおりました。
ここで修行をしていた弘法大師は、僧衣(そうい)を繕うための布切れを所望されたそうです。娘は織りかけていた布を惜しげもなく切って差し出します。
大師は感動し、「なにか望みはないか」と尋ねられます。娘は、「父は都で薬子の変に関係して島流しとなり、母は身ごもっていたが、男の子が産まれるとその子も咎を受けてしまう。どうか女の子が産まれるようにと、観音様に祈願し、やがてこの地に来て産まれたのが私です」と話し、「亡き父母に代わり、観音様をつくってお祀りして、私も仏門に入り精進したい」と願い告白したそうです。
大師は強く心を打たれ、千手観音像を刻み、娘を得度(とくど、仏門に入ること)させ、灌頂(かんじょう、仏門に入る時の儀式)を授けました。すると、娘はたちまち即身成仏(そくしんじょうぶつ)し、身体から七色の光を放ち千手観音菩薩に変身したそうです。
大師はこの事を時の嵯峨天皇に伝え、天皇の勅願により堂宇を建立して自ら刻んだ千手観音像を南向きに、また即身成仏した千手観音像を北向きに安置して本尊にしたと伝えられます。
得度山、灌頂院、切幡寺、それぞれの名称もこうした由縁によるものです。

石段
山門から約800m。その中に333段の石段があります。
最後は女厄坂(33段)、男厄坂(42段)になっています。
大塔
豊臣秀頼が秀吉の菩提を弔うため大阪に建立したものを、明治6年に移築したものです。国指定重要文化財。
本堂より、さらに111段の石段を登ります。眺望が素晴らしい。眼下には吉野川の流れ、前方には四国山脈の山々が連なります。
はたきり観音
娘が即身成仏して観音様に化身した像。右手にハサミ、左手に布を持つ姿です。とても、美しい観音様です。スタイル抜群!

切幡寺は駐車場が2ヶ所あります。山門の近くと境内の下。山門の近くに停めると、333段の階段を歩く事が出来ます。境内の下まで行くと、333段の階段が免除されます。
体調にもよりますが、初めての切幡寺では是非石段を歩かれる事をオススメします。
「石段は歩いても後悔、歩かなくても後悔」どうせ後悔するなら歩いて後悔しましょう! 徳島だけに、阿波踊り的(踊る阿呆に見る阿呆♪ 同じ阿呆なら踊らにゃ損損♪)に考えてみるのも悪くないですね。
また、麓は門前町になっていて遍路宿や巡拝用品のお店があります。
中でも「金山商会」さんがオススメ! 巡拝用品の種類も豊富でサイズも揃っています。
「やっぱり必要!」というものが、そろそろ出てくる頃かと思います。お茶のお接待もあります。歩きの方は打ち戻り(同じ場所に戻ってくる)ルートになりますので、荷物も預かってくれます。是非覗いて見てください。


織刃(おるは)
第十番札所・切幡寺に棲む、八八さん十女。
手に持った大鋏と腰布がチャームポイント。
お大師さんから灌頂を受け、即身成仏した娘さんの性質を持つ彼女は、お大師さんを心から慕っている。
布をチョキチョキ切り刻むのが趣味。
たまにヤンデレモードに。そんなときは近づかないでそっとしておくのが吉。
名前の由来は、「機織り」と「鋏(刃物)」から。
◎八八さん×拠り所
はたきり観音像。
私もナイスバディな容姿が良かったのにっ!(by織刃)

◎八八さん×スイーツ
準備してるから待っててね!

- 331……332……333……! やっと到着。石段、多すぎやろ……。
- ほらほら、若いクセに何へばっちゃってんの。空さまだったら、これくらいの石段、ダッシュで登りきっちゃってるわよ(きっと)。
- あ、あれが切幡寺の見どころのひとつ「はたきり観音」さまやね! 恵、近くまで行ってみよう!! ε=ε=ヽ( ・ω・)ノ
- ちょ、少しは休ませろって。――……はぁ。あの石段を登りきって、なおそのテンションを維持できるんがすごいわ。
- もう、情けないなあ、おにいちゃん。心身ともに鍛えられてない証拠よ。空さまのようになんか到底ムリだと思うけど、少しでも近づけるように修行しなきゃ。
- おにいちゃん言うな。あ、でも、何やろ。何となく元気になった気がする。もっかい言うてみてや。
- …………………………………………。
- ~ はたきり観音像の前 ~
- スタイル抜群でべっぴんさんな観音さまやねえ!
- でしょでしょ! それで、ハサミと布を携えた気品あふれる出で立ち。まるで、私のようだと思わない?
- え? 何て?? (ニヤニヤ
- ちょっとぉ、なんで訊き返すの? 感じ悪ぅ……
- だって、ハサミと布以外に共通点が……
- ひどぉい。空さまに言いつけてやるんだからっ!
- 二人とも! お遍路で喧嘩なんかしたらいかんよ!!
- はっ! 私ったら、空さまをお慕いする身ではしたない真似を。……ごめんなさい。あっ、もうすぐ5時になっちゃう。恵さんは早く納経所へ行かなきゃ。
- お、おお。……ええっと、納経所は、っと。
- あそこの階段を上ったところよ。
- ぐはっ! まだ階段あんの!?
- あれ? 納経所はそこの建物で、そっちは――
- ほらほら、急がなきゃ。納経時間を守るのもお遍路さんのマナーよ。大丈夫、段数はさっきの3分の1、111段だから! さあ、ダッシュダッシュ!
- うおおおん! ちくしょう!!
- いってらっしゃーい。ふふふ☻
- …………。(そっちの石段の先は「大塔」やけど、ま、いっか。後で見に行くつもりやったし♪)