





- 宗派:
- 臨済宗妙心寺派
- 開基:
- 弘法大師
- 創建:
- 弘仁6年(815年)
- 住所:
- 徳島県吉野川市鴨島町飯尾1525
- 電話:
- 0883-24-2384
- 駐車場:
- あり(有料)
参拝 200円 1日 500円 - 宿坊:
- なし

吉野川を渡り、約3kmの山麓に藤井寺はあります。
三方を山に囲まれ、渓流の清らかな仙境に心を惹かれた弘法大師が、弘仁6年にこの地で護摩修法をしたと伝えられます。大師は42歳の厄年に当たり、自らの厄祓い、衆生(しゅじょう)の安寧(あんねい)を願い、薬師如来像を刻み堂宇を建立されました。
寺は、真言密教の道場として栄え、七堂伽藍(しちどうがらん)を構える大寺院でしたが、天正年間(1573年~92年)の兵火により焼失しました。
その後、延宝2年(1647年)に臨済宗の南山国師(なんざんこくし)によって再興されます。
その時に宗派を臨済宗に改めています。
四国霊場で臨済宗のお寺は2ヶ寺だけになります。もうひとつは高知の33番札所雪蹊寺です。
本尊は「厄除け薬師」として親しまれており、国の重要文化財に指定されています。

藤棚
お大師さまのお手植えと伝えられる藤の古木。
4月上旬から5月下旬にかけて五色の藤が咲き誇ります。
雲竜の天井画
本堂。地元出身画家の作品。
30畳ほどの巨大な龍が描かれています。
お腹の高さに太い梁が渡っています。手をついて遠慮なく頭をお堂に入れて天井を見てみましょう! 撮影は禁止。
白龍弁財天
八つの手を持つ龍、白龍弁財天を祀ったお堂です。
八つの手には、弓、矢、刀、蔵の鍵など様々な物を持っています。金運、武術、芸術のお願いを聞いていただけるそうです。
うわさでは、お堂の前の手水場(ちょうずば)の水を顔に浸すと美人になるらしいです。

藤井寺には有名な遍路道が2つあります。
まず、10番札所切幡寺から藤井寺への道中にある「川島潜水橋(せんすいきょう)」です。吉野川に架かる橋です。水かさが増えると水の中に沈むので「潜水橋」といいます。橋の流失を防ぐために欄干がありません。長さ285m、幅3m。車も通るため途中には歩く人用の避難所があります。避難所以外の場所では、車が通る度に川に落ちるのではないかと、ドキドキします。お遍路のガイド本やドラマにもよく登場する橋です。
もうひとつは、藤井寺から12番札所焼山寺に向かう山道。「へんろころがし」といわれ、遍路道の中でも最も過酷な道のひとつです。約13kmあり、山を2つ半超えます。山道入口には「健脚5時間、平均6時間、弱足8時間」の所要時間の目安が書かれた標識があります。途中には「一本杉」など、見応えのある巨木もあり、長い歴史を感じさせてくれます。1200年前にお大師様も歩かれたとされるこの道を、その頃と変わらぬ自然を眺めながら歩いてみるのも良いと思います。
「潜水橋」は怖くてドキドキ! 「へんろころがし」は急坂にドキドキ! 是非一度ドキドキ体験してみて下さい!


尊心(とうね)
第十一番札所・藤井寺に棲む、八八さん十一女。
藤井寺の象徴「藤」柄の着物が似合うお姉さん。
しっとりと長閑(のど)やかな雰囲気をまとった淑女。自分の意見を強く主張することはないが、それとなく人を善行へと導いてくれる。
優しく妹たちにも人気。
ただ、藤の花が咲く季節以外はほとんど寝ているので、姉としては些か頼りない気もしなくはない。
名前の由来は自(他)尊心の「尊心」。
「藤」の花言葉は「恋に酔う」。誰かへの“憧れ”や“抑えきれない想い”は自尊と他尊の心があるからこそ生まれるモノだと思うのだ(・ω´・)ドヤッ!
<おまけ>
候補に「藤亜矢琥」があがっていたのは秘密。
〽むらさきの雨、雨に~
◎八八さん×拠り所
藤棚。
花の見頃は4・5月。それ以外はお休みしてます( -ω-)zzz

◎八八さん×スイーツ
尊心をイメージして誕生したスイーツ。
喉にやさしいハーブティー・マロウブルーのかき氷。はちみつレモン味のシロップをかけると氷の色が藤色から華やかなピンクに。 by もへんろ茶屋

- 八十八あるお寺の中で、藤井寺は「寺」を「てら」って読む唯一のお寺なんよ。
- あー、言われてみれば他の寺は「~じ」だな。でも、なんでここだけ?
- 知らん!
- そんな自信満々な笑顔で「知らん」とか……
- うふふ、楽しそうですね。私もお話にまぜてくださいな。
- 尊心さんやー。そうそう、尊心さんにずっと訊きたかったことがあるんよ。その髪型やけど、どうやって結んどるん?
- え? 私の髪型ですか? ええっとですね、普通に三つ編みを結う過程で、ところどころに髪の房をこうしてああして……
- ふんふん。
- 毛先を輪っかにして留めるとできるはずですよ。理論上では。
- (理論上……?)その髪型ってやっぱ藤の花をイメージしとるん?
- ええ。藤井寺と言えば、あの御方のお手植えの藤が有名ですからね。着物の柄から帯締めまで、全て藤を模っているのです。
- でも、あたし達が訪れたときは花の時期やなかったんよね。見たかったなあ。
- 藤の見頃は4月上旬から5月下旬。その頃にまたお越しくださいな。
- そうやね! 何回でも来たらいいんやもんね!
- ま、次の話をする前に、まずは一周目を巡りきるのが先だけどな。
- くすっ。そうですね。そのためには次の札所、12番・焼山寺へ至る道――最初の難関を無事に乗り越えなくてはなりませんね。
- 噂の「遍路ころがし」やね! いざ、出陣!!